おかしな「勧告」について

県立高校の共学化を求める「勧告」について

 

たかしな司法書士事務所の司法書士 諏訪部秀明です。

 

今回は、おかしな「勧告」について、「その1」としてご紹介し、次回は「その2」として私の考えを述べさせていただきます。

 

みなさんは、高校生時代をどのように過ごされましたか。

1月に66歳の誕生日を迎えた私にとっては、高校生時代といえば約50年前ですが、当時から続く同級生、同窓生との関係は今も、私の貴重な財産になっています。

 

私が通った高校は、埼玉県立の男子高校で、明治28年に「埼玉県第一尋常中学校」として発足し、昭和23年に「埼玉県立浦和高校」と改称した伝統校でした。今でも各学年360名程度の生徒数がある県内では比較的人気のある高校です。

埼玉県内には現在でも男子高校、女子高校といういわゆる「別学高校」が、男子校で5校、女子高で7校あり、それぞれが地域の中心校として多く人材を輩出し、親しまれています。

 

そういう中で昨年、極めて唐突に「埼玉県男女共同参画苦情処理委員」なる3名の方(大学教授1名、弁護士2名)から、埼玉県教育委員会教育長に対して「埼玉県立高校において、共学化が早期に実現されるべきである」とする「勧告書」(令和5年8月30日付け)が出され、県教育委員会は、本年8月末日までに「措置報告書」を提出するように求められました。

 

このような動きの中で、先日(令和6年1月27日)、県教育局は、浦和高校同窓会や在校生保護者から上記「勧告」に関する「意見等の聴取」を行う場を設けました。私もこれに参加して言意見を述べてきましたが、報道によれば、県教育局は今後、上記の別学高校でも同様な場を設けるようです。

 

ご興味のある方は是非、「埼玉新聞」(令和6年1月28日付)の記事【浦和高「共学化」で議論 PTA意見書提出】をご覧ください。また、浦和高校のホームページもご覧いただければ幸いです。https://urawa-h.spec.ed.jp/

 

今回は最後に、上記「勧告書」に記載のある次の一文(きわめて非論理的、偏見に満ちた文章)をご紹介して終わらせていただきます。

 

「高校生活の3年間を一方の性に限ることは、人格形成からも、また男女共同参画社会づくりの視点からも問題である。」

 

今回もお付き合いいただき、ありがとうございました。

おかしな「勧告」について” に対して2件のコメントがあります。

  1. 渡延忠 より:

    東京都在住の男子高校卒業者です。現在、勤務先ではHR関係部署で、コンプライアンスにかかわる仕事をしており、均等や参画、多様性といったテーマには、日ごろから大いに関心を持っております。
    ご紹介された埼玉県の審議会(?)の「勧告」の文章は、この部分だけ拝見する限り、短絡的に過ぎ、何らかの偏見に基いた、奇妙な?ものに感じられます。別学校で3年間を過ごした人間は、その経歴だけで「男女共同参画社会の形成」の視点からは問題ある存在になってしまっているかのように、地方自治体が設けている審議会の公的な文書で言われるなら、実に心外です。
    既に、県が設けたヒアリングの場でご意見をお述べになっているとのことですが、次回の「続き」で、諏訪部先生のお考えをお聞かせください。お願いします。

  2. 宮本 卓次 より:

    私は勧告の対象となった男子校の卒業生です。
    高校時代の思い出は楽しく、自由に、何でも出来たと思っています。
    勧告に従えば、私は「人格形成からも、また男女共同参画社会づくりの視点
    からも問題」とされる人材と断定されたことになります。
    はて? 私の人格のどこに問題があるのでしょうか? 教えて下さい!
    公的機関の勧告において、何で、私の人格が否定されなければ
    いけないのでしょうか? 読むたびに不愉快に思います。
    「埼玉県男女共同参画苦情処理委員」の方にはそんな権限があるのでしょうか?

    埼玉県男女共同参画苦情処理委員の方の経歴、そもそもの苦情の内容・その妥当性を
    もっと公にして頂きたいと思います。
    その上で、賛否いろいろな意見が交わされることが必要と思います。

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