こんなことで良いのか「埼玉県政」
“こんなことで良いのか 埼玉県政”
たかしな司法書士事務所の司法書士 諏訪部 秀明です。
令和6年(2024年)も最後の日を迎えました。今日は大晦日です。
この一年を振り返ってみると、特に後半の6カ月は多くの方々との出会いがあり、そのご相談に応じる中で自分自身も学ばせていただきました。
司法書士の仕事は、不動産や会社に関する登記申請、裁判所への提出書類の作成、相続・遺言に関するもの、成年後見や任意後見に関するものなどかなり広い範囲にわたりますが、それらすべてが、依頼者の話しをよく聴き、適切な対応や方向性を判断することから始まります。そのためには、「司法書士には秘密の保持義務がある」ことをお伝えしたうえで、依頼者のお話しをよく聴き、質問するなどのやり取りの中で、互いの信頼感を醸成していくことが大切です。
特に高齢期を迎える方々からの相談である遺言、後見制度の利用、見守り契約、死後事務の委任契約などでは、相談者が漠然と抱く「不安感」を聴き出すことが重要であり、それは裏を返せば、相談される方が、私に対して「この人なら親身になって相談に応じてもらえる・・・」と思っていただけるようになることだと言えましょう。
私自身、令和7年には67歳となり、長い間の社会人としての知識・経験がありますので、ご依頼者と話が弾むことが多いです。今、私の事務所にご来所いただく方の多くがそのような「不安感」を持つ高齢者であり、そのご期待に沿えるように日々努力し、充実感を抱いている昨今です。
ところで、このように日々の仕事や私的な生活面では大変満足しているのですが、政治の世界に目を転じてみると、憤りを感じることが多いです。国政のレベルでは安全保障などの国の存立・存続に関する重要事項がないがしろにされ、党利党略を優先する議論ばかりが目立ちます。
そして、今回私が一番にお伝えしたいことが、「埼玉県政のレベルの低さ」です。
私はこれまで何回か、埼玉県にある「男女別学県立高校の共学化」問題を取り上げてきましたが、埼玉県教育委員会は今年の8月に「主体的に共学化を推進する」との報告書を出しました。この問題は昨年(令和5年)、埼玉県の「男女共同参画苦情処理委員」なる学者と弁護士、併せて3名が出した「共学化が早期に実現されるべきである」とする勧告をきっかけにクローズアップされてきたものです。
この勧告に対して県教育委員会は莫大な費用とマンパワーをかけて、意見聴取の場を設けるとともに、県民へのアンケートを実施してきました。その結果は、大半が共学化の動きに反対し、「女子高、男子校の維持を望む」というものでした。そこには在校生やその父兄、将来、県立高校に進学しようとする生徒などからの、「多様な選択肢を制限するな」との意見がありました。
なぜにこのような声を無視して埼玉県当局は「主体的に共学化を推進する」との結論を出したのか? ここには大野元裕埼玉県知事を初めとする県当局のメンツ、自己保身があったと思われます。県教育員会は、別学校の教職員(特に男子校の教職員)の男女比に偏りがあることを、人事権を持つ自らの責任ではなく、別学校の存在そのものに責任転嫁しているのです。
その結果、「高校選択の自由、別学校の良さを知ってほしい」といった声をかき消して、県が「主体的に共学化を推進する」としているのです。
また、以前、私が疑問を呈した「高校生活の3年間を一方の性に限ることは、人格形成からも、また男女共同参画社会づくりの視点からも問題である」といった偏見に満ちた、根拠のなない主張を依然として採用しているのです。
加えて、埼玉県議会もこの問題を何ら議論していません。
埼玉県知事を初めとする県当局や県議会議員のこのような姿勢は全く理解できませんし、職務怠慢としか思えません。
このような中、埼玉県は「埼玉政財界人チャリティ歌謡祭」なるものを去る11月下旬に行い、明日の元旦(令和7年1月1日)にテレビ放映(テレビ埼玉)するとのことです。
そこでは大野埼玉県知事が県職員をバックに「自慢のノドを披露する」というのですから、全く呆れたものです。埼玉県内の財界人もこのような県当局のお祭りに付き合わされていい迷惑です。
保身と人気取り、責任回避しか考えない埼玉県政に呆れてしまいます。
今回は年末に当たり、抑えがたい気持ちを書かせていただきました。
今回もお付き合いいただき、ありがとうございました。
御意!
諏訪部司法書士のお怒りはご尤もと思料します。小生もこれまでこのブログに投稿させていただきましたが、埼玉県の別学県立高校の共学化問題に係る同県の一連の対応には大きな疑問を感じています。
まず、「調査と議論を尽くした」としつつ、実際には実態調査もまともに行わずに出された男女共同参画苦情処理委員の勧告の手続と内容に疑念があります。
しかも、参画委員に寄せられた苦情は1件ですが、このような「少数意見」には応ずる一方で、在校生や保護者、OBから寄せられた「多数意見」を無視する県知事以下のアンバランスな対応、さらにそれを是認ないしは黙認する県議会、全てに疑問を感じます。
当たり前ですが我が国は民主主義国家です。間もなく新年を迎えますが、来年こそは一人一人の県民の期待に応える、民主主義が裏切られない年になることを祈念しています。
我が儘な少数意見に何故か反応してしまった教育委員会には疑問!
伝統ある学校の歴史を尊重すべき、と感じます。男女別学で支障があったのなら、その論点を議論すべし。