「後見制度というもの その①」
たかしな司法書士事務所の司法書士 諏訪部秀明です。
今回から「後見制度というもの」というテーマで何回か、書かせていただきます。
認知症などで判断能力が衰えた方の保護、支援のための制度として「後見制度」がありますが、今回は、初回として、「後見制度」としてどのようなものがあるのか、といった視点から、「後見制度についての頭の整理」をしてみたいと思います。
言葉(用語)の整理を兼ねて、まず申し上げておきたいのは、「後見」という場合、大きく分けて
- 「未成年者後見」 というものと、・「成年後見」 というものがある、ということ。
民法では838条以下に「第五章 後見」とありますが、「未成年後見」と「成年後見」を一緒に規定しているのでわかりにくい気がします。
以下でお話しするのは主に「成年後見」についてです。
また、これも少しわかりにくいのですが、世間一般で「成年後見制度」というときは、
- 「法定後見制度」 というものと、・「任意後見制度」 というものがあります。
この二つの制度の違いは、
- 「法定後見制度」とは、既に判断能力が衰えた方を支援する制度であり、
- 「任意後見制度」とは、まだ元気なうちに、将来の支援者と支援の内容をあらかじめ定めて契約しておく。
というものです。
ここまでは、よろしいですか? 「ザクっとでよいので、イメージを持ってくださいね」
そして、「後見制度というもの その①」と題した今回の記述の最後として、次の二つのことを覚えておいてください。それは、
第1 「法定後見制度は、支援が必要な方の判断能力の程度により、「後見」「保佐」「補助」の三つの類型があるということ。そして、それについては主に「民法」に定めがあるということ」
第2 「任意後見制度は、今は元気だけれども、将来が心配な方のための制度であり、「任意後見契約に関する法律」が定めている、ということ」 つまり、「任意」という用語がついていますが、立派な「法律上の制度である」ということです。
初回は「用語の整理」に終わってしまいましたが、お付き合いいただきありがとうございました。
次回は今回整理した「制度」の内容をお話ししたいと思います。よろしく!!