「後見制度というもの その②」
たかしな司法書士事務所の司法書士 諏訪部秀明です。
前回の「後見制度というもの その①」では、
認知症などで判断能力が衰えた方の保護、支援のための制度として「成年後見制度」というものがあり、それは大別して、
- 法定後見制度 というものと、
- 任意後見制度 というものがあり、
この二つの制度の違いとして、
- の「法定後見制度」は、既に判断能力が衰えた方を支援する制度であり、
- の「任意後見制度」は、まだ元気なうちに、将来の支援者と支援の内容をあらかじめ定めて契約しておくもの
であると記しました。
また、「法定後見制度」は文字通り「法定」のもので、「民法」が定めていますが、「任意後見制度」にも「任意後見契約に関する法律」という法律があるということでした。
今回は、「法定後見制度」を取り上げます。
まず、法定後見制度は、支援が必要な方の判断能力の程度により、「後見」「保佐」「補助」の三つの類型があります。
この判断能力というものを「欠く」のか、「著しく不十分」なのか、「不十分」なのか、によって家庭裁判所が「後見」とするか、「保佐」とするか、「補助」とするかを決めますが、
まずは、「欠く」常況にあるとして始まる「後見」(以下、「成年後見」という)を理解するのが良いと思います。(「保佐」「補助」の利用件数は「後見」と比べてかなり少ないですし、「後見」を理解すれば、それと比較することで、「保佐」「補助」の理解が進むと思います。)。
- 成年後見の開始は、家庭裁判所が「後見開始の審判」をし、その審判が確定するところから始まります。
- この審判は、「審判の申立て」→「家庭裁判所での審理」→「後見開始の審判」というプロセスがあるのですが、申立てには結構な分量の資料提出が必要となります。
- 家庭裁判所は、「後見開始の審判」にあたり、成年後見人を選任しますし、場合によっては成年後見人を監督する「成年後見監督人」も選任します。
上記のことを踏まえて、裁判所のホームページから「成年後見制度について」を見ていただくのが良いと思います。
(「裁判所」→「裁判手続案内」→「後見ポータルサイト」→「成年後見制度について」)
なお、私ども司法書士が、成年後見に関してお手伝いできる場面としては、
- 後見制度全般についてのご相談に応じ、アドバイスをする。
- 家庭裁判所に対する「申立て手続き」のお手伝いをする。
- 「成年後見人」に就任して、ご本人の財産管理、身上監護といったお手伝いをする。
- 「成年後見監督人」に就任して、例えば、ご家族が「成年後見人」に就任されたのちのお手伝いをする。
があります。
次回は、「成年後見」に関する注意事項などについて、お話ししますね。
お付き合いいただきありがとうございました。